TOFD法

TOFD法による超音波探傷検査



TOFDとは TOFDとは、『Time Of Flight Diffraction』の略であり、直訳すると『回折波の飛行時間』となり『きず端部からの回折波の伝搬時間を利用した測定法』の総称として呼ばれています。
きずの高さ測定に対する精度が高く、探傷時間についても短時間処理を可能とした超音波探傷技術です。

TOFD法

1970年代 イギリスで開発されてヨーロッパを中心に基準(BS7706:1993)が整備され、実用化
1990年頃 日本でも圧力容器等の極厚部材に社内検査用として採用
1998年頃 いろいろな分野・領域で注目され実用化に向け検討
2001年 日本非破壊検査協会が『TOFD法によるきず高さ測定方法』を制定(NDIS2423 : 2001)
2003年 日本ガス協会が球形ガスホルダー指針(JGA指-104-03)を改定
2005年 日本エルピーガスプラント協会が検査基準として付属書1に供用中内表面探傷試験実施方法の例を追加(JLPA501:2005 )
TOFD法の原理 原理としては、右図のように送信子用と受信子用の各探触子を用いて、送信子から超音波パルスを発生させ、きずの端部(上端、下端)に衝突した際に360°方向に発生する回折波を受信子で受けて記録するものであり、この上端部、下端部から発生した回折波の飛行時間(到達時間)の差によって、きずの高さを測定(数値化)するものです。
また、送信子からの超音波パルスが最初に受信子に到達するのは、表面直下を伝播したラテラル波であり、きずがなければ、次に到達するのは底面反射波ということになります。
TOFDの適用実績 1.ガスホルダー等、貯槽の供用中検査
2.高炉関連の熱風炉の溶接部検査
3.火力発電所の高圧蒸気配管の検査
4.高圧ガスの圧力容器の検査
5.橋梁、橋脚の隅角部、鋼製ジョイントの調査
6.オートクレーブやベッセル等の溶接部検査
7.クレーンガータの割れ確認調査
8.鋼構造物の劣化調査